朝8時のフライトで羽田を立って岩国錦帯橋空港で降りた。予約を入れていたレンターカーを空港で借り、1泊目は萩、2日目は松江で泊まる2泊3日の小旅行に出かけた。まずは錦帯橋に行った。小さい頃からテレビや映画で観ていた錦帯橋は、イメージ通りだった。幾ばくかのの入橋料払って錦帯橋に踏む込んだ。木造で造られ5連の構造っで中央の3連はアーチ型っで、世界的にもまれな造りになっている。渡って見ると意外に勾配がキツく構造も堅牢だった。渡り切ると岩国城が目の前に聳えている。城まではロープウェイが走っており、登るのには問題がなかったが、ただ時間がなかった。城と滝好きの著者として断腸の思いで諦め、次は必ず岩国城に登ると決めて山口市に向かった、しかしその後、まだ錦帯橋に行く機会のなく、未だ実行に至っていない。
大内氏が築いた瑠璃光寺は威厳もあって厳かな気持ちになる
次の目的の山口市。さほど観光で訪れる人も少ないが、瑠璃光寺に行ってみた。ここは大内氏が全盛期の頃に建立したて曹洞宗の寺院で、600年以上の歴史を誇っている。また五重塔は国宝に指定されている名刹。境内には人も疎らで、京都や奈良のような賑やかさもなく静まり返った雰囲気。参拝も落ち着いてでき、境内も歴史を感じさせていた。目的地の萩に行く前に、山口市の湯田温泉に立ち寄った。特に挨拶をする所はないが、ここは仕事が絡んでいいるので、一度は見ておきたかった。街は温泉宿やホテルが建ち並び、特に自然がある訳でもなく、また温泉情緒がある訳でもなかった。山口市の奥座敷って感じで、道ゆく人がいる訳でもなく、車も少ない温泉だった。いらない心配だが、これでやっていけるのだろうかと一抹の不安も過った。
想像以上に秋芳洞は素晴らしく、今までで一番の鍾乳洞
秋吉台は単にカルスト台地を見たかっただけの理由と話の種にしたかったから。また萩に行くにはさほど遠廻りでもないので立ち寄った。訪れたみたが、代わり映えのしない草原が続き、車から降りて見学する欲望も湧かない。ただただ車を走らせた。やだて秋芳洞の看板が目についた。この秋芳洞は初めから立ち寄る予定だったというより、一度は行ってみたかった。予想以上に洞内は大きく、今まで見た鍾乳洞では一番大きかった。総延長は10.7kmもあり、温度は四季を通じて17度と一定している。前を歩くカップルは新婚らしく、手を繋いで歩いている。こんな仲睦まじい姿はいつまで続くのだろうかといらない心配をしている。鍾乳石はどれもこれも歴史を感じさせ、長淵や千枚皿が印象に残り、特に千枚皿は棚田ようで「石灰華段丘(せっかいかだんきゅう)」と呼ばれる、石灰分が皿状に沈殿してできらしく、長い年月を実感させられた。
今でも長州の侍が歩いているかのような趣が漂う萩の街
萩は慶長9年(1604年)に、毛利輝元が築いた城下町。萩温泉は比較的歴史が新しく、湯は冷泉で沸かしているらしい。泊まったホテルはビジネスで、もちろん食事はついていない。著者は旅行で泊まるなら旅館よりホテルを好んだ。何故ならば、旅館のお決まりの飯より、現地の名物を喰いたいタイプ。そして夜の街をほろ酔い加減で散策もできる。しかしこの散策はたまに失敗することもある。とんでもない店に入り、いい具合にボラれたこともあった。この日は萩の街外れに海鮮の良さそうな看板とのぼり旗を見つけ、店構えも悪くない。客もそこそこ入っている。今晩はこの店に決めた。店に入ると大きな水槽があり、その中で魚やイカが元気に泳いでいる。これもいつまでの命か分からない。その魚たちに混じって色とりどりの二枚貝が入っていた。店に入って「ヒオウギガイ」だと知った。とりあえずイカ刺しとヒオウギガイを頼んだ。
東日本で育った人間には「たまり醤油」は苦手
ヒオウギガイは焼かれて口を開いた状態でテーブルに運ばれてきた。初めて食するヒオウギガイはマズマズだったが、食べ慣れているホタテの方が旨く感じた。イカ刺しは水槽に入っていただけに刺身になってもまだ動いている。ゲソは口に入れて噛もうとしても吸い付いてくる。なんという生命力だ。確かに鮮度はいいが何かピンとこない。醤油が合わなった。西日本特有の「たまり醤油」だった。少し我慢して食べたが「普通の醤油はないか」と尋ねたら、普段から慣れている醤油を持ってきてくれた。やはり東日本の人間には「たまり醤油」は合わない。それ以来、西日本を旅する時は、食べ慣れている醤油を持ち歩くようになった。しかし昨今、西日本でも普通の醤油を置いている店も多く、持ち歩くことはなくった。
余談なエピソードだが何年経って忘れられないソース事件
話は変わるが、ある料亭で従姉妹会をやったことがある。総勢20名くらいだった。料理は一人一人にお膳で運ばれた。当然、刺身も入っていた。その刺身を食べて全員が首を傾げている。著者も食したらソースぽい味がする。これはソーズだと思ったが、ここの料亭の刺身専用のタレってこともある。このくらいの格式のある料亭なら間違ってソースを出すことはないだろうと考えるのも当然だ。もしも口にして恥をかくくらいならこのまま食べてしまえって思うのが妥当だ。しかしこの頭からソースが離れないのか、いつの間にか会話も途切れ途切れになる。できるだけ料理の話はしないようになった。著者はもう一度食べてみた。やはりソースだ。「すいません、これはソースだよね」と著者が中井さんに云った。それを確認した中居さんは慌てて「すぐ変えますから」で一件落着。